王位戦・豊島―菅井戦第2局1日目のハイライトです。(中継サイトの棋譜はこちら)
本局は居飛車持久戦 vs ノーマル向かい飛車の対抗形となりました。
関連記事:第2局2日目はこちらから!
菅井王位が採用したのは角道を止める向かい飛車。
驚かれた方も多かったと思います。かくいう僕もそうなのですが、用意の戦法に違いないので、振り飛車党として注目して観戦しています。
なお、第1局の考察はこちらの3つに分かれています。ご覧ください!
(関連記事:第1局 (1)封じ手まで (2)2日目昼まで (3)2日目昼以降)
後手向かい飛車を採用(12手目:22飛)
菅井王位は角道を止めた後に22に飛車を振りました。向かい飛車です。
これは豊島棋聖としても意外だったと思うのですが、淡々と慣れている形に持っていくだけでしょう。
向かい飛車には、居飛車56歩は突かない方がいいと思っています。
向かい飛車側の24同角のタイミングで玉を睨んでくるのが嫌味ですし、将来の45歩~44角~33桂の筋も厄介です。
というわけで、本譜の46歩が理に叶っていると思います。
逆に言えば、先手が5筋を早く突いたのを見て向かい飛車に振るのは面白い作戦といえるでしょう。
なお、「5筋を突くと角筋が通る」という考え方は、石田流でも同じことが言えます。
先日の【竜王戦】久保―増田戦でも触れているので、併せてご覧ください。
王位戦、後手番ならではのノーマル向飛車は興味深いです。
先日石田流の記事で「5筋を突かれたら97角型」と書いたのですが、向飛車においても5筋は突かない方がいいですね。
【竜王戦】久保利明 王将 vs 増田康宏 六段 第31期竜王戦決勝トーナメント https://t.co/bueq9FfYFt @tsuwa_chesshogiから— つわぶき@全国優勝将棋ブロガー (@tsuwa_chesshogi) 2018年7月24日
持久戦模様に(29手目:46歩への応手)
先手が29手目に46歩として、次に45歩を狙います。
ここで先手の離れ駒に目をつけて、32飛の決戦もあったところ。
以下45歩には33角や55歩、64角など、選択肢がいろいろありそう。
本譜は46歩に33桂と進み、持久戦模様の展開になりました。
4筋が争点に(35手目:68金右)
局面は68金右と進んだところで、お互いの囲いや狙いが明らかになりました。
先手は角道を開けたままで銀冠穴熊まで組むことになりそう。堅陣を作り、4筋からの攻めに備えます。
後手も銀冠まで囲ってから64角として、飛車のコビンを狙います。
最近はバランスを取る将棋ばかり見ていたので、久々に穴熊を見ると駒の偏りが気になってしまいますね。笑
形勢判断と封じ手予想(51手目:56銀への応手)
51手目の56銀に対し、菅井王位が次の一手を封じました。
いま出先なんですが、王位戦の封じ手は47歩成を予想、後手菅井王位持ちの見解です。
2枚替えになっても33桂を活用できる変化もあり、結構後手やれそう。遅くなりそうですが、ブログも更新予定です。
— つわぶき@全国優勝将棋ブロガー (@tsuwa_chesshogi) 2018年7月24日
封じ手は恐らくほぼ47歩成で間違いないと思います。
以下、47同飛88角成に43飛成同金32銀と進めば2枚替えですが、以下51飛43銀成55歩67銀45桂!と進めば後手の駒に勢いがついています。
6筋を角や金で受けても、66馬で後手の攻めが加速しますね。
というわけで、先手はどこかで変化しなければなりません。
また、後手としては47歩成以外の候補手もあまりなさそうです。
92香は91飛を見たプラスの手ですが、ここでは少し悠長。相手に立て直しの機会を与えてしまいそうです。
また、85歩は持ち歩が少ないし反動も大きいので早計。
55歩は以下65歩56歩64歩57歩成と進みますが、相手に角を渡す分、47歩成より紛れも出てきます。
菅井王位としても、形勢がいいと判断していれば、自然な47歩成を封じていると思います。
2日目の見どころは、「大駒の活用方法」「85歩からの玉頭攻め」といったところです。
後者の85歩は、歩を数枚持てばどちらからも指す可能性があるところ。
先手からは85歩同歩84歩同銀83歩。後手からも85歩同歩86歩同銀87歩。
こうすれば、お互いの囲いは横方向に弱体化します。
縦と横からの攻めのコンビネーションに注目したいと思います。
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