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【女流王座戦】西山朋佳 女王 vs 鈴木環那 女流二段 第8期リコー杯女流王座戦本戦トーナメント

2018/07/21
 




女流王座戦本戦トーナメントのハイライトです。(将棋DBの棋譜はこちら
西山ー鈴木戦、注目どころは力戦でのねじり合いです。

 

矢倉模様に(17手目:78金への応手)

76歩84歩75歩の出だしから先手は向かい飛車に。
メリケン向かい飛車調の将棋を目指して78金と上がりました。

局面図から86歩~同飛~76飛となれば先手の主張が通る格好ですが、本譜はここで強く64銀と出てきました。
以下86歩75銀85歩76銀と進み、後手に選択肢が多い将棋です。

個人的には「68銀・78金」の2手に替えて「78銀・86歩」の開戦を見せておきたかったところ。
86歩に同歩同飛となれば先手も互角以上でしょう。

先手は75歩を突いた以上早く動きたいので、そうなれば軽い78銀型の方が隙が無く勝る気がします。

 

先手がよくなる(32手目:87歩)

6~8筋で早々と戦いが起こり、32手目に87歩と叩きました。
以下66角88歩成11角成と進み、先手持ちの形勢。

以前に書いた後手オープン四間の記事の一変化で、いきなり2筋を強襲してくる筋の応用のような形です。
後に弱い「43」や「23」の地点を狙う展開になります。

局面図、僕なら77金か77角成から考えたいところです。
強引ですが、例えば77金同桂67角から読んでみたいですね。

 

凌ぎ方(42手目:68とへの応手)

この局面で48銀右と銀損を甘受しましたが、自然に48銀左とかわす手だと優勢を維持できたように思います。

  • 54銀~46香として「43」の地点で清算して21馬の筋
  • 55角として飛車、銀を狙う筋

単なるスピード勝負にしてしまえば、後手の攻めが単調な分読みやすかったのではないでしょうか。
本譜は手順にと金を捌かせてしまい、互角に戻った印象です。

以下は互いの気持ちがぶつかりあう力戦となりました。

 

再度先手有利に(77手目:24桂打)

2筋からの攻めを手厚くするため、24桂打としたところ。
ここでは攻めがつながり、再び先手が有利になっています。

先手は桂香が欲しいところだったので、後手としてはまず金銀を立て直し、そこから持駒を使っていくほうがよかったと思います。
先手の悩みは手駒不足だったので、後手は直ぐに迫る必要はありませんでした。
まずは自陣の整備に手数をかけておくほうが明らかによかったでしょう。

本譜は先手の左辺を攻撃するために桂香を投入した後に自陣のケアに回る展開になり、いささかちぐはぐな流れになってしまいました。



ミスらない先手(94手目:58銀への応手)

さて、すでに先手勝ちの終盤ですが、うかつに攻めると一気に逆転します。
例えば32成香同金23香成と攻めると、26桂!から頓死してしまうため容易ではありません。

終盤では最後の寄せや詰みまで駒を渡さずに包囲して攻めるのが理想的
ここで64角が教科書通りの一手だったと思います。

金を投入すると先手陣に迫るのが遅れてしまうので53桂ですが、24桂と跳ねて攻めが切れることはありません。

以下、49角28玉59龍と首を差し出しました。

しかし、先手も金気が入るため、手数は長いながら自然に追って即詰みとなってしまいます。
左隅の成香も利いてきたのが、とてもよくできている形ですね。

 

序盤で崩れてしまうことが多かった西山女王ですが、手将棋の中・終盤は切れ味抜群。
引き続き応援していきたいと思います!

 

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