観る将から指す将まで

【王座戦】斎藤慎太郎 七段 vs 渡辺 明 棋王 第66期王座戦挑戦者決定戦

 




斎藤ー渡辺戦(王座戦)の考察です。(棋譜はこちら
本当は取り扱う予定はなかったのですが、中~終盤戦が面白いと思ったので少しばかり記事を書きたいと思います。

 

後手の課題局面(37手目:56銀)

角換わりは、今や最も流行している戦型と言っても過言ではないでしょう。

角交換すると局面が膠着状態になりやすいので、後手番としても歓迎なのです。
居飛車だけでなく、振り飛車においても角交換が多用されますね。

さて、何気ない局面図ですが、実はこれは後手の課題局面となっていました。

豊島ー羽生戦(棋聖戦 第1局)と全くの同一局面で、ここから後手が65歩と仕掛けていきます。
以下、65同歩同銀同銀に58玉!と進み、これが後手の攻めをかわす好手として認識されていました。

次に69飛と回る手が後手陣を直通しており、この局面に持ち込まずに変化しなければいけないというのが、最新の通説でした。(本日行われた八代ー藤井戦(新人王戦)では、後手が早めに6筋の位を取り、この局面を避けました。)

しかし、渡辺棋王は研究家。用意がないはずがありません。

 

渡辺棋王 用意の一手(44手目:54銀)

本譜も58玉と寄るところまでは同一だったのですが、そこから56銀同歩54銀!
なんと交換したばかりの銀を打ち付けました。

一見、何をやっているのかわからなかったのですが、局面が進むにつれて、その真意が明らかになっていきます。

後手は銀を引き、銀矢倉を構築。
全体のバランスが非常によく取れているだけでなく、自分から軽く攻めることも可能な形です。

一方の先手は玉を含む全ての駒を使ってバランスを取らねばならず、攻めたときの反動にも気を遣わなければなりません。
明らかに先手が多めに読まなければならず、苦労が多い将棋です。

後手は、銀交換から自分だけ先に銀を打つことによって、捌き合いに備えていたのでした。
このあたりは棋王の研究家ぶり・戦巧者ぶりが発揮されています。

この構想が今後のプロ間の将棋にどう影響を及ぼすか。今後も勉強していきたいと思います。

それにしても、AIの発達によって角換わりがここまで様変わりするとは、誰が予想したでしょうか。
つい数年前まで指されていた角換わりの通常形や矢倉が駆逐され、化石になってしまいましたね。

 

後手が優勢に(66手目:65桂)

斎藤7段は6筋からの攻めを見せますが、渡辺棋王は巧みにかわします。
65桂と両取りをかけたところでは、完全に後手ペース。

全体のバランスや防御に気を遣いながら攻め続けるのは、容易ではありません。

しかし、ここから簡単に土俵を割らないのが斎藤7段。
もたれて指しながら、驚異的な粘りを見せていくうちに棋王にミスが出て、一瞬で混戦となります。




絶妙の迫り方(91手目:35桂)

35桂!!と、とんでもないところに桂が放り込まれました。
この桂打ちが絶妙手。逆転に成功です。

  • 放置すれば33銀成からの詰めろ。
  • 42銀だと23桂成からの詰み。
  • 35同歩だと24銀同歩23金から手数は長いが詰み。

この桂が取れないのであれば、形勢はいつの間にかひっくり返っています。
しかし、玉も露出しているにも関わらず、物凄い攻めがあるものですね……

以下は後手の罠をかいくぐり、即詰みに討ち取りました。

これで王座戦の挑戦者となった斎藤7段。
中村王座とのタイトル戦がイケメン対決になると、早くも話題になっています。

 

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