【★×1】四間飛車の「いろは」
仲間に恵まれ、高校時代に全国大会団体戦で優勝経験があります。
将棋の普及にも興味があり、子ども将棋教室を何度も開催。
駒の動かし方から教えるほか、指導対局を実施。延べ250人以上を指導しています。
また、これまで海外20か国以上を訪問。滞在先で将棋の普及やチェスの対局を楽しんでいます。
当サイトについてはこちら、自己紹介はこちらをご覧ください。
現在twitter(@tsuwa_chesshogi)で将棋の質問を受付中!
つわぶきです。
今回も戦法の解説をしていきます。
今日は「四間飛車」について勉強してみましょう!
四間飛車ってどんな戦法?
四間飛車は昔から人気がある振り飛車戦法の1つです。
私も愛用しています。
守りを固めてから反撃を狙うのが基本で、
数ある振り飛車戦法の中でも、最もバランスがよいのが特徴です。
プロ間では中飛車の人気が高かったのですが、ここ最近は(少し形は違うのですが)
後手番での四間飛車の人気が再燃しています。
書籍や参考棋譜も多く存在するため、振り飛車を勉強する際は、
この四間飛車からスタートするのが上達の近道であることは確実です。
それでは、気になる内容を見ていきましょう!
コンセプトは「がっちり囲ってカウンター」
四間飛車側は上図の形を目指していきます。
右辺の囲いは「美濃囲い」。6手で作れる堅陣です。
左辺でのポイントは、▲66歩で角道を止めること。
戦いがすぐに起こらないようにしたあと、囲いを整備していくのです。
美濃から高美濃、銀冠といった囲いに発展させることもあります。
四間飛車では自分から攻めていくことは難しいのですが、
相手の攻めを丁寧に受けてから反撃する能力が非常に高いのです。
対棒銀を指してみよう!
実戦を想定しながら解説していきます。
以前のコラムに書いた棒銀戦法が相手です。
受け間違えると簡単につぶれてしまうので、注意していきましょう。
(参考棋譜:https://kifu.co/yG6B)
▲76歩△34歩▲66歩△84歩▲78銀△62銀▲68飛△54歩
▲48玉△42玉▲38玉△32玉▲28玉△52金右
これで後手は「舟囲い」完成です。形が舟に似ているのでこの名前がついたとのこと。
私は小舟に乗ったことがないので、あまりわかりません。笑
▲38銀△74歩▲58金左△14歩▲16歩
これで図の形が完成しました。1筋の歩の突き合いは、終盤に玉の逃げ道として活きてきます。
囲いの一部と思って必ず突きましょう。
△85歩▲77角
8筋の攻めは角で受けること! 受けなければ四間飛車は崩壊してしまいます。
△42銀▲56歩△73銀▲67銀△84銀▲98香
この香上がりの狙いは、初見ではわかりにくいのですが、
相手の角道を事前に避けたという意味合いがあります。
振り飛車ではこの香上がりが頻出します。
△99角成を空振りさせる軽快な手なので、ぜひ覚えてください。
香は「98」にいたほうが安定しているのです。
△94歩▲96歩△75歩
△75歩に▲同歩と取ってしまうと、△同銀▲76歩△86歩!で8筋を突破されてしまいます。
以下▲75歩と銀を取っても、△87歩成▲99角△88歩でゲームセット。
以前の棒銀の記事で、「5段目に無条件で進出できると成功」と書きました。
別の手を考える必要があります。
▲78飛!
替えて▲78飛と、攻められている筋に飛車を持っていくのが振り飛車の基本です。
△76歩▲同銀△72飛
ここで、
(1)▲67金は△75歩で銀の行き所がありません。
(2)▲67銀は△75銀で後手好調です。
▲65歩!
△76飛には、▲22角成の王手飛車が決まってしまいます。
相手の手に乗ってカウンターを決めるのが振り飛車の特徴です。
△77角成▲同飛△88角
▲98香の効果がここにも表れています。香車を取る手が一手遅れているのです。
▲75歩△77角成▲同桂△75銀▲同銀△同飛▲66角
▲75歩と打って、銀のタダ取りを防ぎます。
飛車を取られてしまいますが、飛車と角はほぼ等価値なので問題ありません。
初心者のうちは飛車を取られると不安になるものですが、
きちんと返し技があるので安心してください。笑
さて、後手は銀を交換しに来ますが、▲66角で飛香両取りが決まりました。
△76飛▲11角成△22銀▲12馬△77飛成
△22銀は部分的にはいい手で、これで後手は77の桂馬が取れるようになりました。
しかしながら、ここであっと驚くいい手があります。
考えてから、下にスクロールしてください。
▲99角!
なんと、ここでも▲98香の手が活きてきました。竜が逃げれば、もちろん▲22馬の一手詰めです。
居飛車棒銀でタテから攻め倒してしまうのも確かに爽快ですが、振り飛車で相手の攻めをいなして勝つ気持ちよさは、何物にも代えがたいと思います。
ぜひ四間飛車を指しこなしてみてください!
~まとめ~【四間飛車のポイント5つ】
(1)▲66歩で角道を止め、じっくりと囲う
(2)△85歩には▲77角で交換を防ぐ
(3)△75歩には▲78飛。棒銀を捌かせない
(4)▲98香の先受け。香取りを遅らせる
(5)▲65歩の捌きを切り札にする
おススメ棋書の紹介
つわぶきの2大おススメは、大平先生、藤倉先生の著書!
お二人とも将棋の普及活動でかなり有名な方です。最初はこれでスタートするのがいいでしょう!
仲間に恵まれ、高校時代に全国大会団体戦で優勝経験があります。
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