観る将から指す将まで

【★×1】四間飛車の「いろは」

2018/07/05
 
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つわぶき
バランス重視の振り飛車党。最高R2511。
仲間に恵まれ、高校時代に全国大会団体戦で優勝経験があります。

将棋の普及にも興味があり、子ども将棋教室を何度も開催。
駒の動かし方から教えるほか、指導対局を実施。延べ250人以上を指導しています。

また、これまで海外20か国以上を訪問。滞在先で将棋の普及やチェスの対局を楽しんでいます。

当サイトについてはこちら、自己紹介はこちらをご覧ください。
現在twitter(@tsuwa_chesshogi)で将棋の質問を受付中!

つわぶきです。
今回も戦法の解説をしていきます。
今日は「四間飛車」について勉強してみましょう!



四間飛車ってどんな戦法?

 

四間飛車は昔から人気がある振り飛車戦法の1つです。
私も愛用しています。

守りを固めてから反撃を狙うのが基本で、
数ある振り飛車戦法の中でも、最もバランスがよいのが特徴です。

プロ間では中飛車の人気が高かったのですが、ここ最近は(少し形は違うのですが)
後手番での四間飛車の人気が再燃しています。

書籍や参考棋譜も多く存在するため、振り飛車を勉強する際は、
この四間飛車からスタートするのが上達の近道であることは確実です。

それでは、気になる内容を見ていきましょう!

 

コンセプトは「がっちり囲ってカウンター」

 

四間飛車側は上図の形を目指していきます。

右辺の囲いは「美濃囲い」。6手で作れる堅陣です。
左辺でのポイントは、▲66歩で角道を止めること

戦いがすぐに起こらないようにしたあと、囲いを整備していくのです。
美濃から高美濃、銀冠といった囲いに発展させることもあります。

四間飛車では自分から攻めていくことは難しいのですが、
相手の攻めを丁寧に受けてから反撃する能力が非常に高いのです。




対棒銀を指してみよう!

 

実戦を想定しながら解説していきます。
以前のコラムに書いた棒銀戦法が相手です。
受け間違えると簡単につぶれてしまうので、注意していきましょう。

(参考棋譜:https://kifu.co/yG6B

▲76歩△34歩▲66歩△84歩▲78銀△62銀▲68飛△54歩
▲48玉△42玉▲38玉△32玉▲28玉△52金右

これで後手は「舟囲い」完成です。形が舟に似ているのでこの名前がついたとのこと。
私は小舟に乗ったことがないので、あまりわかりません。笑

▲38銀△74歩▲58金左△14歩▲16歩

これで図の形が完成しました。1筋の歩の突き合いは、終盤に玉の逃げ道として活きてきます。
囲いの一部と思って必ず突きましょう。

△85歩▲77角

8筋の攻めは角で受けること! 受けなければ四間飛車は崩壊してしまいます。
△42銀▲56歩△73銀▲67銀△84銀▲98香

この香上がりの狙いは、初見ではわかりにくいのですが、
相手の角道を事前に避けたという意味合いがあります。
振り飛車ではこの香上がりが頻出します。
△99角成を空振りさせる軽快な手なので、ぜひ覚えてください。
香は「98」にいたほうが安定しているのです。

△94歩▲96歩△75歩

△75歩に▲同歩と取ってしまうと、△同銀▲76歩△86歩!で8筋を突破されてしまいます。
以下▲75歩と銀を取っても、△87歩成▲99角△88歩でゲームセット。
以前の棒銀の記事で、「5段目に無条件で進出できると成功」と書きました。
別の手を考える必要があります。

▲78飛!

替えて▲78飛と、攻められている筋に飛車を持っていくのが振り飛車の基本です。

△76歩▲同銀△72飛

ここで、
(1)▲67金は△75歩で銀の行き所がありません。
(2)▲67銀は△75銀で後手好調です。

▲65歩!

△76飛には、▲22角成の王手飛車が決まってしまいます。
相手の手に乗ってカウンターを決めるのが振り飛車の特徴です。

△77角成▲同飛△88角

▲98香の効果がここにも表れています。香車を取る手が一手遅れているのです。

▲75歩△77角成▲同桂△75銀▲同銀△同飛▲66角

▲75歩と打って、銀のタダ取りを防ぎます。
飛車を取られてしまいますが、飛車と角はほぼ等価値なので問題ありません。
初心者のうちは飛車を取られると不安になるものですが、
きちんと返し技があるので安心してください。笑
さて、後手は銀を交換しに来ますが、▲66角で飛香両取りが決まりました。

△76飛▲11角成△22銀▲12馬△77飛成

△22銀は部分的にはいい手で、これで後手は77の桂馬が取れるようになりました。
しかしながら、ここであっと驚くいい手があります。
考えてから、下にスクロールしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

▲99角!

なんと、ここでも▲98香の手が活きてきました。竜が逃げれば、もちろん▲22馬の一手詰めです。

居飛車棒銀でタテから攻め倒してしまうのも確かに爽快ですが、振り飛車で相手の攻めをいなして勝つ気持ちよさは、何物にも代えがたいと思います。

ぜひ四間飛車を指しこなしてみてください!



~まとめ~【四間飛車のポイント5つ】

 

(1)▲66歩で角道を止め、じっくりと囲う
(2)△85歩には▲77角で交換を防ぐ
(3)△75歩には▲78飛。棒銀を捌かせない
(4)▲98香の先受け。香取りを遅らせる
(5)▲65歩の捌きを切り札にする

 

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