【★×2】~軽快な捌き~ 石田流を指してみよう!
仲間に恵まれ、高校時代に全国大会団体戦で優勝経験があります。
将棋の普及にも興味があり、子ども将棋教室を何度も開催。
駒の動かし方から教えるほか、指導対局を実施。延べ250人以上を指導しています。
また、これまで海外20か国以上を訪問。滞在先で将棋の普及やチェスの対局を楽しんでいます。
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今回は「石田流」三間飛車を勉強しましょう。
石田流は、盲目の棋士 石田検校(けんぎょう)が江戸時代に考案した戦法です。
検校(けんぎょう)は、中世・近世日本の盲官(盲人の役職)の最高位の名称。檢校とも書いた。
元々は平安時代・鎌倉時代に置かれた寺院や荘園の事務の監督役職名であったが室町時代以降、盲官の最高位の名称として定着した。
江戸時代になると、国の座をまとめる総検校を最高位として京都に置き、江戸には関東の座の取り締まりをする総録検校を置いた。
(引用:wikipedia)
近年、プロ間で石田流が流行したことがあり、
現在でも久保利明王将がレパートリーのひとつとしています。
私も10局に1~2局は石田流を指しています。
流行の際はいきなり乱戦にする形や、後手番で2手目に△32飛とする新手などが開拓されました。
(※通常、石田流は先手番の戦法です。)
将棋界でも流行り廃りがあり、流行して初めて新手が見つかることも多々あるのです。
石田流の理想形はこれだ!
石田流 基本の考え方
上図が石田流の理想形で、ここまで組みあがるととても強力です。
「攻めは飛車角銀桂」という格言があるのですが、
見事にその駒が活用できているのがわかりますね。
▲74歩とすれば飛車角が一気に働いて戦いが起こせますし、
開戦前に▲65銀や▲65桂で攻めに迫力を加えることができます。
少し反動もあるのですが、捌き始めると自分のペースで攻めを続けられるのが石田流の特徴です。
補足
初めのうちは気にしなくてよいのですが、下図のような▲77角型の石田流もあり、
現在のプロ間ではこちらの方が指されている印象です。
別の発展的な記事で説明をすることにしますので、
今は「そんな形もあるのか」ということを覚えておいてください。
石田流 成功例
石田流に対して、漫然と組んでいるとどうなるかを見ていきましょう。
(参考棋譜:https://kifu.co/yrgW)
▲76歩△34歩▲75歩△84歩▲78飛
3手目に▲75歩を突くのが石田流の意思表示です。
△62銀▲66歩△85歩▲76飛
△85歩に▲76飛と、飛車で受けます。
この手を指すために▲75歩を急いだのでした。
なお、初手▲76歩に対して2手目△84歩とされた場合、
以下▲75歩△85歩に▲78飛△86歩となってしまい、残念ながら石田流には組めません。
相手が2手目に△84歩と突いたときは、別の戦法を指しましょう。
△42玉▲48玉△32玉▲28玉△52金右▲28玉△42銀▲38銀△14歩▲16歩
四間飛車の記事でも出てきた、美濃囲いを目指すのがセオリーです。
△64歩▲77桂△63銀▲96歩△94歩▲68銀△54歩▲67銀
△53銀▲97角△42金上▲58金左△44歩▲56銀
長く進めましたが、これで理想形の完成です。
囲いもしっかり美濃を組み上げ、先手ペース。
それにしても美しい構えをしていますね。
△43金右▲65歩△同歩▲同銀△64歩▲74歩
▲65歩から棒銀戦法の要領で指し、駒の交換を迫ります。
ひとつの戦法を覚えると、いろんな攻めに応用できるようになります。
△同歩▲同銀△同銀▲同飛△73歩▲76飛
▲76飛と引いておいて大満足。
次に▲65歩△同歩▲同桂△62銀▲63歩という筋も残っています。
また、最後の▲76飛に替えて▲75飛と指し、次に▲85飛を狙うのも有力でしょう。
~おさらい~【石田流のポイント】
(1)飛車先の△85歩は▲76飛で受ける
(2)「攻めは飛車角銀桂」の格言を守る
(3)捌きは74歩か65歩から
→64に駒があれば65歩、なければ74歩からの捌き
おススメ棋書の紹介
四間飛車の記事でも紹介した、大平先生の本です。
石田流のことが分かりやすく、端的にまとめてあります。
仲間に恵まれ、高校時代に全国大会団体戦で優勝経験があります。
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