観る将から指す将まで

【藤井聡太】第77期順位戦C級1組 藤井聡太 七段 vs 西尾明 六段

 




藤井ー西尾戦(C級1組順位戦)の考察です。

対局相手の西尾6段は、ロック、洋楽、スポーツと多趣味なイメージ。
実際お会いしたこともあるのですが、英語もできる気さくな先生。お酒が強いというエピソードも聞いたことがあります。
(外国人の方と飲んでも全くの平気で、潰れたN先生をホテルの部屋まで送った話とかも・・・笑)

さて、閑話休題。
本局は横歩取りとなりました。

序盤から大駒が飛び交う様子がよく「空中戦」に例えられます。
文字通り華々しい戦いになり、短手数で終わることもしばしば。

横歩取りは研究が目まぐるしく変わる上、合意がなければ指されない戦法になるため、居飛車党のプロの先生でも研究を放棄して「横歩取りはわからない」ということが多々あります。
(実際にabemaを観ていたのですが、いろいろ思うところはありましたね…… 三枚堂先生の解説は凄かったのですが)

最近は先手側の「青野流」という方針が主流となっており、後手側に対策が求められているのが現状です。

後手の趣向(22手目:82歩)

後手が82歩と打った局面。
先手の58玉型が「青野流」の手で、かたや後手の62玉型、82歩の先受けは珍しい形です。(通常は52玉)
西尾6段は増田6段との順位戦でも62玉型を指しており、用意の構想と言えそうです。

82歩の狙いは、先手からの84飛の転回を事前に防いでいるところですね。

デメリットとしては、82銀と上がることができないため9筋が弱くなること。
そして8筋からの攻めに迫力を欠くこと。

一長一短があるところです。

機敏な仕掛け(31手目:95歩)

95歩として、端をこじ開けに行きました。
狙いとしては、95同歩に92歩同香76歩!74飛同飛同歩91飛。

こうなると82歩型の弱点を突き、一本取った形と言えます。
また、64角94歩23金のように飛車を捕獲するのは、64飛から香車を取り、63香~41角の方針で指せば勝ちそうです。

そこで本譜は44角94歩96歩と進行。
すぐに鋭い狙いがあるというわけではないのですが、もたもたすると端の位を逆用するという含みを残した手順です。




緩手が出るが・・・(47手目:45桂への応手)

藤井7段は右辺でうまく立ち回ったあと、優勢を築きます。
しかしここで45桂は危険な一手で、代えて65桂ともう片方の桂から跳ねるべきだったと思います。

本譜はここから35飛46金!と進んで事なきを得たのですが、図の局面で、代えて俗手で37歩!と迫る手がありました。
以下29銀25飛となれば、先手はほぼ銀落ちで指さねばならず、苦しい戦いでした。

鮮やかすぎる収束(70手目:78馬への応手)

渋い指し回しを見せたかと思えば、唐突に踏み込む藤井7段。
見る者を飽きさせずに図の終盤戦に持ち込みます。

ここでなかなか詰みが見えなかったのですが、53桂左成!!がコロンブスの卵。
通常は右を成ってしまいそうなものですが、65の桂は邪魔駒になってしまうのですね。

以下、72玉61飛成83玉65角!!となり、西尾6段はここで投了されました。

以下は自然に王手をかければ、99の香車も働いてきて、詰みとなります。

歴代1位タイの記録へ

これで藤井7段はデビュー100戦85勝を達成。
5割勝つのも大変な棋士の世界で、とてつもない数字です。

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なお、abemaでデビュー100戦の歴代勝率ランキングを公開していたのですが、この数字はなんと1位タイ。
中原16世名人もちょうどこの数字を残しているということでした。

16才の若さで数々のレジェンド級と肩を並べることもあれば、越していることもある藤井7段。
今後も棋界を牽引していく存在として、研鑽に励んでいただきたいと思います。

 

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