観る将から指す将まで

【藤井聡太】八代 弥 六段 vs 藤井聡太 七段 第49期新人王戦トーナメント戦

 




八代ー藤井戦(新人王戦)の考察です。(棋譜はこちら
定番・おなじみと言いますか、戦型はやはり流行の角換わりとなりました。

 

角換わりの「基本図」(33手目:48金)

先手が69の金を真っすぐ上がったところ。

ここで81飛と引けば先後同型となります。
以下、56銀54銀66歩65歩となれば、昨日解説した斎藤ー渡辺戦(王座戦)と同一局面になります。

本譜は68金に対して65歩と6筋の位を取りました。
後手から先にここを取るのは珍しい形ですが、こうすることで羽生ー豊島戦(棋聖戦)における一変化(前述の斎藤ー渡辺戦の記事中で解説済み)を回避しています。

なお、81飛の局面を角換わりの「基本図」とするのがいいでしょう。
その際に差し引きして考えるのは以下のようなことです。

  • 玉、飛、金の位置(基本はそれぞれ「68(42)」「29(81)」「48(62)」)
  • 69の金を58金~68金と動かすなど、作為的な手損の有無
  • 4筋・6筋の歩の突き具合

角換わりのこの戦型は未だ黎明期で、整備されているとは言えません。
今後とも細かい相違点をはらみながら、この戦型は指され続けることでしょう。

 

この戦型での攻め方(56手目:47歩)

後手が47歩と打ったところです。
ここで同金と取れば38に角を放り込む筋が生まれますし、同銀と取れば中央の勢力圏が弱体化します。

そこで本譜は38金と右にかわし、全体のバランスを保ちます。

ここで注目したいのですが、先手・後手共に、突き越された4筋・6筋を突き返し、その歩を攻め駒として打ち直していることがわかります。
先手の64歩は、54の銀がいなくなれば63歩成の筋が激痛になります。

このように、お互いに玉頭の歩を取り払い、相手の右金を攻めるために使うのが基本姿勢。
僕の棋風では抵抗があり、到底指せない戦型です。笑

 

先手に選択肢が多い展開(73手目:47金)

藤井7段は93角と打ち、66の銀や57の地点を狙う構想を見せました。

しかし先手が巧みに立ち回り、角を手持ちにしている分、選択肢の広い展開と言えそうです。
後手としては現在の角のラインが利いておらず、負担にもなっているので、64角と引いて相手の面倒を見る展開へと進みます。




藤井7段の深い読み(103手目:52角への応手)

100手を超えましたが、なんと依然としてほぼ互角の形勢です。

金銀の両取りがかかっているこの局面、藤井7段はかまわず89歩成!と指します。
以下、74角成に63金!

後手陣は左辺の壁形があるにもかかわらず、大胆に金を渡します。
52金には33玉から踏ん張る予定でしょう。深い読みがなければ指せない構想です。

本譜はここで35歩?!と進むのですが、この手で均衡が一気に崩れてしまいます。
74金34歩の進行は、馬を取られて先手苦しい展開。

このタイミングで35歩が入らないのであれば、数手前に打つのが正着だったかもしれません。

 

以下、自玉の詰みがないことをきっちり読み切った藤井7段。
投了図まで危なげなくまとめ上げました。

以下後手玉に詰みはなく、先手は受けても一手一手の寄り。

局後、悔しさからなかなか感想戦が切り出せなかった八代6段。
準備を怠らず、途中の展開にも自信があった裏返しだと思います。

一方、藤井7段は新人王戦8強入り。次は近藤5段との対局です。
今後は新人王戦に参加する権利がなくなるので(まだ16歳なのに……苦笑)、最後まで全力を尽くしてほしいところですね!

 

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僕も石田流は多用しますが、やはり銀冠や銀冠穴熊に発展する余地を残した左美濃は最もやりにくい戦型。
石田流に困っている居飛車党の方にはお勧めできる一冊です。

 

 

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