【羽生善治】豊島将之 八段 vs 羽生善治 棋聖 第89期棋聖戦五番勝負 第3局
仲間に恵まれ、高校時代に全国大会団体戦で優勝経験があります。
将棋の普及にも興味があり、子ども将棋教室を何度も開催。
駒の動かし方から教えるほか、指導対局を実施。延べ250人以上を指導しています。
また、これまで海外20か国以上を訪問。滞在先で将棋の普及やチェスの対局を楽しんでいます。
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棋聖戦第3局のハイライトです。(将棋DBの棋譜はこちら)
1-1で迎えた第3局。5番勝負の天王山、負けたらカド番になってしまうので、大きな勝負に当たりますね。
棋聖の袖飛車(4手目:72飛)
名人戦第6局でも見せた「袖飛車」をここでも採用。
(関連記事:【羽生善治】佐藤天彦名人が羽生善治竜王を4勝2敗で下し、名人防衛)
好奇心を基に戦術を選ぶ羽生先生、このタイミングで試してみたいことがあったのだと推察します。
今朝の新聞に、名人戦で最短手数で完勝した将棋の負けた方を持ったのは何故か?と問われ『どうしても気になったから、やってみた』と書いてあって、気になったら謎が解けるまでこだわる性格を知り尽くしているので納得とがっくり。とにかく謎解きが細胞レベルで好きなのだ。コナンの血でも混じってる?
— 羽生理恵❄運命は勇者に微笑む (@usaginoheso) 2018年6月8日
「観る将」で将棋初心者の方に解説すると、この飛車は7筋の歩交換を狙っているので、先手から角筋を通す76歩が指しにくくなっています。
角を抑え込む狙いを含みにしている手。
ちなみにAIではこの局面の評価値は先手の+200前後。
飛車を振った場合の評価値と似通っているので、AIは純粋な居飛車を推奨しているのでしょうね。
挑戦者、ペースを握る(37手目:15歩)
端からの攻めで、挑戦者がリードを奪いました。
15同歩同香は68角成から2枚替えがあるのですが、15同歩に77銀とかわす手が飛車に当たり、手番を握りながら銀を角筋からそらすことができます。
こういった展開は、羽生先生が直前に指した76歩同歩同飛に替えて、35歩と指せば防げたことで、こうなるとひねり飛車の亜種という感じ。
これなら僕も後手を持ってみたいのですが、なぜ敢えて駒損の手順に踏み込んだのかよくわかりません。
1分将棋の中のチャンスボール(107手目:15竜)
羽生先生も簡単には土俵を割らず、「21」「31」に歩を打って粘ります。
一般的に、駒は低いところにあるほど隙がなく堅くなるので、粘りに利いてくるのです。
さて、45馬に竜を逃げてぶつけたところですが、ここで馬を逃げずに65桂打!とすれば互角の流れに引き戻せたと思います。
角が逃げればベタっと57銀や49銀が受けにくい。また、79歩成などの軽い軽手が激痛になります。
本譜は36馬と進み、先手の堅陣が活きる展開となりました。
最後のお願い(142手目:66角成)
王手ラッシュの最中繰り出された手。「何で取っても同じ」と思うと大変なことになります。
本譜の66同玉が必然手。同銀や同歩だと78飛から詰まされてしまいます。
66同玉に55龍同玉で、玉が天王山まで進んだところで羽生先生の投了となりました。
これで豊島先生が初タイトルに王手をかけました。
しかし正念場はここから。仮に第4局で2-2となると、ベテランの羽生先生の経験値が大きい気がします。
豊島先生の初タイトルか、羽生先生のタイトル100期達成か。
どちらも魅力的なので引き続き見守りたいと思います!
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