観る将から指す将まで

【藤井聡太】深浦康市 九段 vs 藤井聡太 七段 第66期王座戦挑戦者決定トーナメント

2018/07/11
 




好カード 深浦 九段 vs 藤井 七段

A級棋士を相手に後手番で緻密な差し回しを見せた藤井7段

遅ればせながら、6月22日に行われた「深浦康市 九段 vs. 藤井聡太 七段 第66期王座戦挑戦者決定トーナメント」の感想を書きたいと思います。

というのも、藤井7段の指し回しがあまりにも華麗だったので記事にしておきたいと思ったためです。

深浦9段の棋風など

タイトル経験もある、現役のA級棋士の先生です。
手厚さや強靭な受けが持ち味の棋風です。

将棋界で矢倉に代わり雁木が流行して以来、さらに勝率を伸ばしているイメージですね。
バランス感覚が雁木とマッチングしていたと思われます。

 

対局に対する感想・コメント

堂々たる催促(56手目:61玉)

ここまでの指し手は割愛しましたが、序盤は都成5段戦と同様の出だし。
>>>【藤井7段 考察】都成竜馬 五段 vs. 藤井聡太 七段 第31期竜王戦決勝トーナメント
深浦9段が3筋からの攻めを見せたため、当たりを避けて右玉となりました。

56手目で見せた藤井将棋の方針が、72から逃げる61玉でした。
24歩からの攻めが見えるので指しにくいとは思うのですが、歩を持つと97歩からの攻め筋があります
飛車の9筋転換を見せた98香が、かえって負担になっているのですね。

しかしながら、後手からも8筋の歩を交換して歩を入手したいところ。
そう考えると玉は61にいたほうが当たりが弱くなります

形にとらわれない柔軟なバランス感覚に基づいた1手だと思います。
すでに藤井7段がかなりペースを握っている印象です。

最小限の手駒での反撃(62手目:95歩)

さて、解説どおり先手は2筋からの攻めを敢行し、「と金」を作りました。
しかしながら、ポンと突いた95歩を見ると、藤井7段の端攻めが段違いで速いですね。
9筋を見据えた42の角にも要注目。

玉の当たりの強さに加え、飛車の位置の差も見た目以上です。



快心の玉捌き(66手目:52玉)

「ただの早逃げかな?」と3秒くらい考えてしまったのですが、この手がないと▲84香で飛車が詰んでしまうのですね。
52玉によって、玉の安全度がグッと増し、飛車の機動性も確保。△97歩成からの楽しみが残っているし、先手からはこれといった攻め筋がない。
評価値関係なく、プロ的にははっきり差がついてしまった局面でしょう。

いやはや、どうしてこうなってしまったのか、何がいけなかったのか…… 僕には全くわかりません。

藤井将棋らしく、中盤で途方もない差がついてしまいました。

鮮やかな寄せ(108手目:78と)

本当はここ40手ほどの応酬も解説したいところですが、キリがないので割愛。
深浦先生が107手目に▲61銀不成で形作りに入ったところです。

ここで78とが軽い手。同玉は96角で合い駒が悪いし、68玉でかわしても69金以下詰んでしまいます

したがって逃げる一手なのですが、藤井7段は緩めません。

軽手の捨て駒(114手目:48金)

58にいた金を48に寄ったところ。
本譜は同玉と応じたため比較的軽易な詰みになったのですが、先手がどう応じても詰みになります。

(遠山先生のブログによれば、27玉には51金と手を戻して勝ちとの判断だったようです。しかしながら「藤井先生なので…」というバイアスがかかって、全ての詰みを読んだのではないかと勘ぐってしまいますね。笑)



まとめ

 

例えば数年前の段階で、対局者を伏せられてこの棋譜を見せられたら。
僕はどなたかの先生の一生涯での快勝譜だと思ったことでしょう

A級棋士の深浦先生が、藤井先生の正確な大局観にいなされてしまったイメージです。
藤井先生の強さに底が見えません。

藤井先生のおかげで、将棋の奥深さと面白さがますます広がっていきます。

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