観る将から指す将まで

【中盤戦の考え方②】つわぶき実戦譜から3局解説

2018/07/05
 
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つわぶき
バランス重視の振り飛車党。最高R2511。
仲間に恵まれ、高校時代に全国大会団体戦で優勝経験があります。

将棋の普及にも興味があり、子ども将棋教室を何度も開催。
駒の動かし方から教えるほか、指導対局を実施。延べ250人以上を指導しています。

また、これまで海外20か国以上を訪問。滞在先で将棋の普及やチェスの対局を楽しんでいます。

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先日、将棋センターに行ってきて、30秒将棋を3局指してきました。
どれも面白い対局になりましたので、ご紹介したいと思います。

 

対 45歩早仕掛け の基本

 

アマ4段くらいの方がお相手です。

僕のノーマル四間に対して、45歩早仕掛けで来られました。(便宜上先後逆)
63銀47金86歩となったのが本譜の進行。僕は早仕掛けには香を上がることにしています。
63銀の形が62銀型より薄くなるため持久戦模様を考えており、このタイミングでの仕掛けは意外でした。

86同角66歩同銀86飛同歩78角68飛

89角成は69飛打!が有名な定跡で、馬が死んでしまいます。
このとき歩があれば67歩で切り返せるのですが……。(※)

87角成55歩76馬77銀

角の利きを遮断し、71飛を実現させて優勢になりました。
(※)86同角95歩同歩66歩同銀95香とする筋もあるにはあります。
しかし95同香67歩同飛86飛同歩78角68飛89角成12香成44角45歩35角57銀で振り飛車優勢です。(図を省略してすみません。)

対 5筋位取り での捌き

 

相手は地元の地区代表にもなっている方。
半持久戦模様を見て、オープン四間飛車からノーマル四間飛車に合流。

76の歩を飛で取り、後手が74歩と謝ったところ。(便宜上先後逆)
飛が68→69→79→76に移動しました。軽い形で振り飛車ペースです。

ここでは56歩75銀77桂も考えましたが、後の展開が30秒では読み切れず、じっとする手を選びました。
66飛64歩73銀

後手から75銀~86飛を無条件で食らっては負けてしまいます。73銀から64歩を払いに行くのが正しい着想。
73銀に75銀は65飛同歩84銀不成です。

81飛64銀成63歩(?)65成銀58銀26角

64銀成ですでに振り飛車優勢ですが、手に困る居飛車は疑問手を連発してしまいます。
47銀成同金22玉77桂51飛(?)45桂打まで

以下、45同銀同桂44角は44同角同金62金。
中盤で手渡しして疑問手を誘う、自分らしい将棋が指せました。
「これが棋風」と胸を張って指せると、将棋の質が高まります。



対 馬を作らせる向かい飛車 での構想

 

これ、力戦向かい飛車とでもいうのでしょうか?
初手から76歩34歩56歩88角成同飛57角 的なアレです。

本譜は76歩34歩68飛54歩22角成同飛53角 のオープニングでした。

この戦型では、端を取ってから飛を振りなおす趣向を好んでいます。馬付きの囲いが作れたら模様がよいとの判断です。
さて、相手の穴熊は一風変わっているな、と思っていたら、ここで面白い手が飛んできました。

44角(!)66歩26歩同歩同飛

ヒラメのような発想ですね。ヒラメ穴熊とでも名付けましょう。
先手が26同飛と取れないのはマズいのですが、
以下26同角21飛27飛(28飛は51飛成~39金)の展開は悪いと判断。

27歩46飛67銀26歩78金27歩成同飛26歩28飛45飛

いやぁ、参ってますね……。
ここから47銀25飛36銀21飛48飛と指しましたが、まぁ勝てないでしょう。
なぜか中盤で捲ったのですが、終盤に再逆転されて負けてしまいました。
穴熊はマジこれだから自分の弱さが出ましたね。

相手はまだ中学生。ウォーズ8段にこの穴熊を指されて対策がわからないので指してみた、とのこと。
彼もウォーズ高段なので、これからにますます期待したいと思います。

ところで後日談。
どうも納得いかず家でソフトに聞いてみたのですが、
26同飛同角21飛27飛に67馬!29飛成56馬!で僅かに先手良しという判断でした。


香を取って83を狙う展開になりそうです。
馬を56に持っていく発想はなく、この将棋はいい収穫になりました。

棋書のご紹介

 

〇天彦流 中盤戦術―「局面の推移」と「形勢」で読みとく
言わずをとしれた佐藤名人の著書。
中盤は抽象的で勉強しにくいにも関わらず、有利に終盤を迎えるために極めて重要なポイントです。
中盤に絞った本がほぼない中、間違いなく良書といえるでしょう。

[あわせて読みたい]
>>>【中盤戦の考え方①】つわぶき実戦譜から3局解説
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