観る将から指す将まで

【中盤戦の考え方①】つわぶき実戦譜から3局解説(追記あり)

2018/07/05
 
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つわぶき
バランス重視の振り飛車党。最高R2511。
仲間に恵まれ、高校時代に全国大会団体戦で優勝経験があります。

将棋の普及にも興味があり、子ども将棋教室を何度も開催。
駒の動かし方から教えるほか、指導対局を実施。延べ250人以上を指導しています。

また、これまで海外20か国以上を訪問。滞在先で将棋の普及やチェスの対局を楽しんでいます。

当サイトについてはこちら、自己紹介はこちらをご覧ください。
現在twitter(@tsuwa_chesshogi)で将棋の質問を受付中!

つわぶきです。

これから不定期的に僕の実戦を解説していきたいと思います。
私は振り飛車を採用しますが、ゆくゆくは対抗形の負け将棋もご紹介したいと思うので、居飛車党の方はご容赦ください。




今回は中盤編ということで、次の3局をご紹介します。

①弱点を攻める角

ウォーズ10切れ。僕の角交換振り飛車で、先手が37桂と跳ねたところ。
僕は桂頭を狙って54角と打ちました。この角は追いにくく、46歩には69角成から36歩の筋があります。
角交換振り飛車では、こういった筋違い角は居飛車側が打つ場合が多いのですが、この場合は振り飛車から打つ筋がありました。
本譜は以下56角43銀から、桂頭を攻めて快勝しました。

②狙いを封じる角

24の早指し2。先手中飛車に対し、75歩同飛と取らせ、38手目に57角と打ったところ。

ここで飛車を逃げていては、後の46角成が厳しいです。
強引に71角と打っても、以下同銀同飛成46角成。

46に角を成られると、
(1)82や91に紐がつく
(2)桂を持って36桂のコビン攻め
(3)先手からの1筋の攻めをカバー
となり、先手が勝てなくなります。手持ちに3歩あり、相手の桂馬も跳ねているので、将来的には15歩から端攻めも視野に入れたいところでもあります。
というわけで、ここでは飛車を取られても、46に角を成られてはいけないのです。

実戦は55角と切り返しました。
75馬の飛車交換だと、馬が46に行けなくなりますし、陣形にも差がついています。先手がかなり良さそうです。
本譜は92飛と寄りましたが、66銀から飛車角を捌いてそのまま押し切りました。



③優勢なときこそ冷静になるべし

24早指し2でのオープン四間。先手が44の銀を55銀と進めたところです。
もちろんここで56歩44銀66銀を選択してもいいのですが、56の歩を突かされたと考えることもできます。
相手が角を手持ちにしているので、空間への打ち込みに気をつけなければいけません
30秒将棋なので、無理をして攻めると間違える可能性すらあります。

ここで僕は94歩と指しました。
相手から何も攻めがないことを見越しています。

端を受けずに88玉95歩32金82玉と進み、いよいよ相手に指す手がなくなってしまいました。
この後は左金を右にくっつけ、18飛で端が壊滅しました。

最初の図ですぐに攻めかかるよりも、玉の安全度がはるかに違うのがおわかりいただけるでしょう。

今回は極端な例でしたが、「勝っているが攻める手が分からない」という場合、そもそも急いで攻める必要がないときもあります。攻めと守りのスイッチがうまくできると、相手が動揺から悪手を指してしまうこともあります。

この辺りの感覚は棋風にもよると思うので、ピンときた方は参考にしてみてください。

なお、僕はこういった感覚をチェスで身に付けました
将棋だと持駒が増えていくので攻撃力・防御力のポテンシャルが増加していきますが、チェスでは残った盤上の駒をいかに効率よく使っていくかが中盤以降の鍵となります。
ポジショナルな発想を養うのに、チェスは本当にいいゲームです。興味があればぜひ。

 〇佐藤名人の本は中盤力を養うのにおススメです!

<あわせて読みたい>
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