藤井聡太 七段 vs 木下浩一 七段 第4期叡王戦段位別予選七段戦
仲間に恵まれ、高校時代に全国大会団体戦で優勝経験があります。
将棋の普及にも興味があり、子ども将棋教室を何度も開催。
駒の動かし方から教えるほか、指導対局を実施。延べ250人以上を指導しています。
また、これまで海外20か国以上を訪問。滞在先で将棋の普及やチェスの対局を楽しんでいます。
当サイトについてはこちら、自己紹介はこちらをご覧ください。
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少し鮮度が落ちましたが、叡王戦(藤井ー木下戦)の考察です。棋譜
木下7段は御年50歳なので、年齢が一回り違う対局カードになりました。
しかしながら、この将棋に終盤は存在したのでしょうか。
そう言っていいほど、藤井7段からは居合の達人を想起させられました。
なお、前回の叡王戦の記事として井出ー里見全戦も綴っていますので、そちらも併せてどうぞ!
(関連記事:井出 隼平 四段 対 里見 香奈 女流四冠 第4期叡王戦段位別予選四段戦)
速攻(22手目:45歩)
後手番の木下7段は雁木(ツノ銀)模様を選択。
一方の藤井7段は、必要最小限の防御から45歩と速攻を仕掛けます。
いかにも現代将棋といった先攻です。
45同桂だともちろん46歩なので本譜は45同歩ですが、続く44歩が藤井7段の用意した継続手。
以下52銀と凹んでしまうのはやむを得ないところですが、次に
- 26飛~36飛~34飛や
- 歩を持って36歩~35歩
といった攻め筋が生まれます。
先手の囲いも弱いので、カウンターは気にしなければいけませんが、後手としても一気に悪形を強いられたところ。
難しい形勢ですが、先手が主張を通した格好だと思います。
十八番の展開(40手目:38歩への応手)
藤井7段は前述の34飛を実現させますが、3筋に後手の歩がなくなったため、直後に38歩のカウンターが生じました。
しかし、当然藤井7段はこの手も読み筋。
ここで痛烈な返し技があり、何と将棋が終わってしまいました。
38歩以下、16歩! 39歩成 17桂 62銀 25桂!!
なんと桂馬のタダ捨てです。恐ろしいほどの軽快な攻めですね。
さらに驚くべきことに、この桂馬と飛車、そして77にいる角だけで後手陣が崩壊してしまいます。
以下、25同桂 32飛成 同玉 43歩成 同玉 11角成と進みます。
後手陣の右辺は、皮肉にもただの壁に成り下がっています。
先手の攻めは若干切れそうな気もしなくもないですが、11の馬はもちろん56の銀が働いてきますし、4筋に歩が打てることを加味すれば、最低限の駒は揃っているといえそうです。
それにしても、端歩を突いて、桂の2段活用で一瞬で終わってしまうとは…
将棋の怖さを垣間見ました。
鮮やかすぎる投了図(63手目:26歩まで)
図は26歩と打ったところ。
ここで後手投了となりました。
以下26同玉に27歩と打てば、以下は軽易な詰め上がりとなります。
凄まじい強さを見せ、一瞬で終盤を終わらせた藤井7段。
8/24の里見女流4冠との棋聖戦もぜひ期待したいと思います!
(関連記事:(小話あり)里見香奈女流が棋聖戦で初戦突破、2回戦で藤井聡太7段と対局決定!)
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