観る将から指す将まで

丸山忠久 九段 vs 久保利明 王将 第39回日本シリーズJTプロ公式戦

 




JT杯(丸山ー久保戦)の考察です。棋譜

さて、いつも通りプロ棋戦の記事を描いていきますが、本局からは人口が多いであろう初段前後の方に向けた解説を心がけたいと思います。プロの将棋をわかりやすくかみ砕くのは技術が要ることかもしれませんが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします!

左辺を牽制(17手目:77角)

本局は後手オープン四間飛車の対抗形となりました。
後手の22飛に対して、先手は77角と打ちます。先日のA級順位戦(稲葉ー久保戦)でも解説したこの形ですが、ここでも自陣角が採用されました。

久保王将としては指し慣れた形だと思いますが、アマ的には後手が勝ち切るのは難しいと感じています。僕だったら22飛に替えて72銀と美濃囲いを優先し、そこで77角なら44歩と軽く受けたいところです。もしも角を打たなければ、32金~41飛~42銀のような手順で左辺を整備します。
(関連記事:つわぶき流 オープン四間の基本方針

JT杯は持ち時間が10分と短いので、方針がわかりやすく、指し慣れた形を選択するのがいいでしょう。
なお、本局は福岡の国際センターで行われました。去年は国際将棋フォーラムが近くの北九州国際会議場で行われ、僕も見に行きました。最寄りの小倉駅からも近く、立地が非常にいいところでした。こういった地方巡業が行われるのは、地元ファンにとってありがたいですね。

桂馬が負担に(38手目:73同桂)

丸山9段は77の角を55に展開し、後手が打った73の角と再度交換します。後手の桂馬は2枚とも跳ねていますが、頭が弱く極めて不安定。本譜は以下66角で攻防のラインを強化し、44歩に35歩と先手にとって順調な手が続きます。

順位戦(藤井ー西尾戦)の横歩取りの将棋でも、2枚の桂が気持ちよく跳ねる展開になったのですが、この将棋では桂跳ねへの対策がしっかりできていますね。先手の攻めの方針がはっきりしているのも、安心して指していけるファクターのひとつです。



形勢が開く(56手目:64角)

久保王将は56手目に64角。46の銀と28の飛車を直射する角に期待しますが、結果としてあまりよくなかったようです。次に66歩と自然に指されると、この角の不安定さが一気に露呈してしまいました。
両方の桂頭が依然弱いことも気になりますし、後手陣は桂に対して極めて弱い形をしています。

代えて43金と左辺の遊び駒を使う展開の方が、はるかに勝ったと思います。

鮮やかな即詰み(79手目:83飛)

待望の74桂の王手に対して73玉とかわしたところですが、なんと83飛から追い詰めとなります。
以下83同銀同歩成に同玉は81飛。63玉と逃げるほかありませんが、そこで64飛が絶好手で詰んでしまいます。
難しい方はぜひ盤に並べてみてください。駒を取りながら追い詰めることができ、実戦的で気持ちのいい詰め手順です。

オープン四間は優秀な戦法ではある半面、持ち時間が短いと居飛車の攻撃を受けにくい場合もあります。

千日手狙いや、終盤で勝負にしたいのがこの戦型。とにかく序中盤で崩れないことが大事なので、形勢を損ねないように受けの形をしっかり持っておき、局面についていくことが必要になってくるでしょう。



[Amazon 売れ筋書籍ランキング]
>>>確認するにはコチラ

[あわせて読みたい]
>>>カテゴリー「プロ棋戦」

[クリックお願いします]












Copyright© つわぶき将棋の園 , 2018 All Rights Reserved.