【竜王戦】増田康宏 六段 vs 佐藤康光 九段 第31期竜王戦決勝トーナメント
仲間に恵まれ、高校時代に全国大会団体戦で優勝経験があります。
将棋の普及にも興味があり、子ども将棋教室を何度も開催。
駒の動かし方から教えるほか、指導対局を実施。延べ250人以上を指導しています。
また、これまで海外20か国以上を訪問。滞在先で将棋の普及やチェスの対局を楽しんでいます。
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竜王戦トーナメント・増田ー佐藤戦のハイライトです。(将棋DBの棋譜はこちら)
本局は印象に残った対局でしたので、簡単に振り返りたいと思います。
竜王戦の増田ー佐藤戦見たんだけど、増田先生が普通に強すぎる
— つわぶき@全国優勝将棋ブロガー (@tsuwa_chesshogi) 2018年7月11日
後手、突っ張る(26手目:45歩)
本局は角換わりの出だしから、後手が54歩から右銀を中央に繰り出す趣向を見せます。
角が手持ちにある場合は「角交換に5筋は突くな」の格言に従うのがセオリーですが、佐藤9段は中央の手厚さを優先させます。本譜は後手が突っ張った受けを見せたのですが、なんとここから先手が一方的に攻め倒す結果になりました。
結果論ではありますが、54歩と74歩の組み合わせがとても悪く、「74歩による1手遅れ」「飛車のコビンの弱さ」といった問題に、後手が最後まで悩まされた格好となってしまいました。
増田6段の攻めの力にひどく感心させられます。
鋭く踏み込む決め手(56手目:51角に対して)
増田6段は本譜の手順中に66角55角同角同歩としたあと、66銀と左銀も攻めに利用します。
一方の佐藤9段も73の空間に角を打ち直すのですが、先手は22歩同金とカベ形を作り、銀を65に動かし角に圧力をかけました。
たまらず角を51に引いたところが局面図ですが、ここで45桂!と活用して大勢決す。
これで先手の攻めは切れません。
45同歩に55角で、きれいな両取りが決まりました。
45桂に銀を引いても55角が鋭い手になります。
他の駒のサポートが強力な場合、角の利きを完全に防ぎきることが難しいのですね。
これについては藤井7段の考察記事の中でも少し触れています。
>>>【藤井聡太】【徹底解説】 藤井聡太七段を多角的に考察する(1)
最速の手(70手目:65銀打ちへの応手)
70手目に65銀打で飛車を取ろうとしたところ。
この局面では、先手は駒得していることに加え、豊富な持駒や玉の安全度に大差があり、既に勝勢です。
ここで46桂!が最速の1手。
34の銀が逃げると34香という手があります。
本譜は桂馬が34に進んだ後に22歩~21歩成となり、豊富な金銀で守られていた後手陣が一瞬で崩壊。
なお、局面図で飛車を取られても有効に使う場所がないので、飛車取りを恐れる必要は一切ないのですね。
投了図(85手目:31と)
後手はさらに駒損が確定。さらに、飛車と桂2枚では先手玉に迫ることはできません。
攻防ともに見込みなしなので、ここで投了となりました。
会長に完勝した増田6段。次に久保王将と対局です。
対抗形が予想されますので、そうなると居飛車党・振り飛車党Win-Winですね。笑
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>>>カテゴリー「プロ棋戦」
>>>カテゴリー「藤井聡太」
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