観る将から指す将まで

【叡王戦】斎藤慎太郎 七段 vs. 窪田義行 七段 第4期叡王戦段位別予選七段戦

2018/07/21
 




叡王戦予選・斎藤ー窪田戦のハイライトです。(将棋DBの棋譜はこちら

いつも通り窪田7段の行動が話題になっていますが、淡々と棋譜解説をしようと思います。

居飛穴に藤井システム模様(30手目:85桂)

本局は居飛穴に藤井システム。居玉のまま30手目に仕掛けます。

通常の藤井システムは「94歩・64歩」型が多く、それが主流で優秀なイメージですが、本局は端攻めに期待して9筋を突き越しています。
個人的には1手の差が大きいイメージなので、僕は後手番システムはやらないことにしています。

本譜は86角73銀88銀43金と進みます。
43金で飛車の横利きが通りましたが、そもそも藤井システムは「自玉の囲いの手数を角と桂を利用した攻撃陣にかけ、穴熊に組ませない」ことが目的なので、先手としては全く不満無し。

 

機敏な一手(35手目:46歩)

43金と上がったタイミングで46歩と反発したのが絶品で、地味ながら本局で一番注目した手です。
横利きが通りましたが、その瞬間タテへの利きが弱くなりました。

本譜は以下、46同歩同銀64銀48飛44歩と進行。

角筋を止めざるを得なくなった後手にこれといった主張はなく、居玉だけが残っています。
駒の損得はないながら、かなりの差がついているとはっきり言えるでしょう。

凡手の好手(47手目:54歩)

先手は金を79に引きつけ、最も弱い玉頭にアヤをつけます。
この歩を取ると馬を作られてしまうので75歩同角64銀打と粘りますが、そこで先手は53歩成同銀54歩としつこく迫り、5筋に傷をつけることに成功しました。

自然な指し手で優勢を拡大していきます。




盤上制圧(65手目:74銀)

後手も端に手をつけますが、局面は先手勝勢。
端で清算し、後手が85桂と打ちなおしたところに、74銀と指しました。

この銀によって、(1)85桂に当て、(2)飛車先を止め、(3)63銀成や83銀成からの攻めを見た「盤上制圧」とも言っていい一手。

数手進み、後手も待望の角道を通してきますが、ここで44歩同角36桂と嫌味の角をいじめることができ、先手の勝ちはゆるぎません。

 

駒得のテクニック(78手目:42金引への応手)

5筋に加え、4筋も先手が制圧しました。

ここで83銀成!と指すのが、駒得を確定させた好手。どう応じても飛車が逮捕されるのですね。
本譜は以下71飛82成銀75飛に84角。

飛車を持つと最速の攻めが期待できます。
以下はいくばくもなく後手投了となりました。

98手目に34角と形作りしたところですが、ここから軽易な詰みがあるので、ぜひ読んでみてください。
本譜も詰みがはっきりした数手後に投了となっています。

後手としては構想段階で問題があったと思います。

 

これからは「組ませる」四間飛車が流行る?

本譜は先手快勝でしたが、やはり後手番藤井システムは、1手遅いぶん自信ないんですよね……

そんな中で注目したいのが、先月の「【竜王戦】大橋貴洸 四段 vs. 都成竜馬 五段 第31期竜王戦6組ランキング戦」です。

右玉模様で上部を手厚くして、穴熊の弱点である上から攻める。
なかなか四間飛車の将棋とは思えませんが、理に叶った優秀な戦術だと考えています。

これからこちらの戦型のプロの棋譜も増えると思いますので、勉強していきたいですね。

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