【王位戦】豊島将之 棋聖 vs 菅井竜也 王位 第59期王位七番勝負第2局
仲間に恵まれ、高校時代に全国大会団体戦で優勝経験があります。
将棋の普及にも興味があり、子ども将棋教室を何度も開催。
駒の動かし方から教えるほか、指導対局を実施。延べ250人以上を指導しています。
また、これまで海外20か国以上を訪問。滞在先で将棋の普及やチェスの対局を楽しんでいます。
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王位戦(豊島ー菅井)第2局のハイライトです。棋譜(中継サイト)
本日は昨日のスローペースな展開から打って変わって攻め合いになりました。
なお、第1局の考察はこちらの3つに分かれています。ご覧ください!
(関連記事:王位戦第1局 (1)封じ手まで (2)2日目昼まで (3)2日目昼以降)
決戦の2日目(52手目:47歩成)
封じ手は47歩成。角を働かせようという自然な手です。
昨日の記事で予想した通りの展開になりましたので、考察はそちらを参考にしてください。
予想が外れる(60手目:43銀成への応手)
さて、僕はこの局面で55歩67銀45桂を予想していました。
しかし実際に指された手は49飛。
これもいい手で、33成銀は銀がそっぽの上、角道が止まります。
33角成~77馬のように、馬を引きつけるのが先手にとって最も理想的な展開になります。
戻って、図で55歩には(1)65銀や65歩を気にされたのかもしれませんが、
(1)65銀を桂で取らないのであれば、じっと29馬で大丈夫だった気がします。
先手の角はもう働くことはないでしょうし、先手の細い攻めをうまくいなすこともできたと思います。
(2)65歩には、そこで49飛と打てば、成銀の処置に困り後手十分だったでしょう。
一気に先手優勢に傾く(62手目:52金への応手)
52金と打ち込んだ局面、ここで菅井王位は43飛成を着手。
以下51金で金損が確定してしまい、その後55歩44歩42竜52飛同竜同金と進みます。
こうして見ると、先手の得だけがはっきり残っています。
- 先手の成銀がうまく捌けた上に駒得。
- 飛車を手にし、盤上に攻め駒が残っている。
- おまけに途方もないほど堅い銀冠穴熊。
52金に対して、飛車を逃げておけば後手十分の形勢だったと思います。
恐らく菅井王位の中でどこかに誤算があったのでしょう。
トッププロ間での対局においても急転直下で一気に傾くところに、将棋の怖さがありますね。
手堅い決め方(93手目:44歩)
後手は竜を引きつけて抵抗しますが、先手が自然に攻め続けて優勢拡大。
局面図で44歩!と控えて打つ手が激痛となりました。
54や43への金銀の打ち込みや、49香からのと金づくりの手が見え、一歩で大きな拠点を作ることができました。まさしく一歩千金です。
以下、いくばくもなく後手投了となりました。
105手目、71銀で後手投了。同竜に83香と打てば寄り筋です。
終わってみると、豊島棋聖の快勝譜となりました。
菅井王位からしたら、4枚穴熊を一枚も崩せなかったのは後悔の極みであることは間違いありません。
これで第2局を終えて1-1となりました。
最近のタイトル戦は、8人が1つずつタイトルを持っていることに加え、一方的に終わることが少なくなっています。これはトップ層が拮抗している証拠。これからもタイトル戦には最大の注目を払っていきます。
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