観る将から指す将まで

【羽生善治】羽生善治 棋聖 vs 豊島将之 八段 第89期棋聖戦五番勝負 第4局

 





棋聖戦第4局のハイライトです。(将棋DBの棋譜はこちら
(第3局の記事はこちらです。)>>>【羽生善治】豊島将之 八段 vs 羽生善治 棋聖 第89期棋聖戦五番勝負 第3局

予め断っておきたいのですが、個人的にこの将棋がはっきりし始めたのは90手くらいからで、それまでは形勢不明といった感じでした。
そういうわけで、優劣にはあまり触れず、ざっくり手の意味や流れを中心に解説していきたいと思います。

さて、羽生棋聖から見て1-2で迎えた第4局。
挑戦者の豊島8段としては最終局に持ち込まず、ここで決めてしまいたいところ。
仮に2-2になってしまったあとの流れも考えると「まだ1敗分の余裕がある」とは思えないでしょう。

手損の金寄り(36手目:62金)

局面図はほぼ流行形で、36手目に豊島8段が金を動かしたところ。
ただ、金を52から62に動かして、敢えて1手損したのが相違点。
「相手に一手マイナスな手を指させ、それを咎めよう」という意味合いです。

ここでは通常形より先手が66歩を余分に指した形となり、65に争点ができています
一方でもちろん65桂ポンの筋は消えていますね。
それがどう影響するかがテーマとなっています。

しかしながら、角換わりはすっかり様変わりしたなぁという印象ですね。
飛車と金銀だけでなく、玉までもバランスを取る駒になっている。
後手玉は42が定位置で、ここから右玉に囲って千日手狙いにする展開もよく見ます。

仕掛けを誘発(63手目:22歩)

22歩の手裏剣を飛ばした局面です。
壁になるので同金は避けたいところですが、そうなると33桂ぶつけや45銀からの攻め合いといった、一気に激しい展開が予想されます。

6筋に後手の拠点があるため、先手玉もそこまで安定しているとはいえません。
羽生棋聖は後にこの手を「危険だった」とおっしゃっていました。

もっとも、アマチュアとしてはまだまだ優劣不明といったところが妥当だと思います。



本局の「分岐点」(79手目:75角)

先ほど書いた通り、激しい攻め合いとなっています。
ここまでくれば先手玉が安定していなかったのもはっきりわかりますね。
角のラインで攻めるのが最短の攻めになります。

本譜は75角と打ったところ、ここで53桂と受けたところでエンジンが先手有利に傾きました。
部分的には桂に紐をつける自然な手に見えるのですが、ここでは64桂と相手の銀に当てる手が最善だったようです。

本譜は53桂86角74桂(後手はこの手に期待)に対して64銀!と打ったのが好手で、重要なラインで威張っていた後手の角を消すことに成功しました。

この辺り、中継サイトを見る限りはプロ間の見解が目まぐるしく変わっていたので、相当難しい将棋だったのだろうと推察します。

うまいかわし(112手目:68香への応手)

本譜は先手勝勢。後手の攻めは竜と歩、香のみですが、ここで受け方を誤ると大変なことになります。
例えば58銀打とすると、69香成~68銀で一気に逆転です。

じっと78玉と逃げたのが当然ながら好手で、級位者の方に参考になる手だと思います。
67玉から安全に玉を逃げることができます。

<投了図>
どう応じても詰みがあるので、考えてみてください!

 

第5局、どうなるか

7/17に行われる第5局の最終局。
戦いの構図は、端的に言えば「若さ&勢い+先手の利点 vs 経験値&タイトル通算100期への周囲の応援」でしょう。

周囲の応援を対局者の方が敏感に感じ取り、それが流れにつながるということは、以前の名人戦の記事で述べたとおりです。
>>>【羽生善治】佐藤天彦名人が羽生善治竜王を4勝2敗で下し、名人防衛

ただ、応援に関して言えば、悲願のタイトル獲得を目指す豊島サイドのファンも少なくないので、あまり差はない気がします。

最終局の第5局は、恐らく角換わりか雁木模様の将棋になるとは思いますが、豊島8段が積極的に攻めの姿勢を見せることは間違いないでしょう。
最終局の羽生先生は相当土俵を割らないので、豊島8段はそこを崩せるかどうか、といったところが見どころだと思います。

 

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